NKT免疫細胞療法とは?

T細胞や、ナチュラルキラー(NK)細胞という免疫細胞が有名かもしれませんが、NKT細胞という免疫細胞を知っている方は少ないかもしれません。そのNKT細胞をターゲットにおいた新しい免疫療法が、今臨床の現場で大きな注目を集めています。

NKT細胞免疫療法は、患者さんの腕の静脈から血液を採取し、後日、免疫学的処理を施した血球細胞(免疫細胞)を点滴で戻す、という治療です。

患者さんにとっては体への負担も少なく、安心できる治療法です。
NKT細胞免疫療法によって体内で免疫力が徐々に高まり、がんの進行を抑えてがんとの共存状態をつくりだす効果を得ることができます。

NKT細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞に次ぐ、第4のリンパ球といわれます。
がん細胞やウイルス、細菌などから身体を守る免疫システムは、自然免疫と獲得免疫の二つからなりますが、いずれも白血球によって支えられています。前者は白血球の中の顆粒球と単球、リンパ球、後者はリンパ球によって担われています。

自然免疫は、手当たり次第に異物を食べ排除しようとしますが、その殺傷力は強いとはいえません。これに対して獲得免疫は、特定の異物を強力に排除し、一度見つけた異物には強い殺傷力を持ち続けます。

がん細胞に対しては、まず自然免疫が発動され、その攻撃から逃れたがん細胞を今度は獲得免疫がやっつけるという二段構えの攻撃が行われます。

NKT細胞は、自然免疫の一翼としてがん細胞を攻撃し、同時に自然免疫から獲得免疫への橋渡しを行い、自然免疫と獲得免疫の攻撃力を飛躍的に増強し、総動員するという役割を担っているのです。

健康な人の血液1マイクロリットル中の白血球の数は5000~8000個で、そのうち約35パーセントがリンパ球。リンパ球の大半はT細胞とB細胞、NK細胞で占められ、NKT細胞は0.1パーセント以下(末梢血中)と桁違いに少ない。しかし、そのごくわずかの細胞が、実は免疫システムの要といえる役割をしているのです。